発音だけでは英語力はつかないけれど

発音と英語学習の関係 ――― 発音だけでは英語力はつかないけれど


発音できると聞き取れる、と言われますが、これはある意味、本当です。

ある意味と書いたのは、厳密に言うと、「音」が分かるようになり聞き取りやすくなります。

自分で発音できるようになり、そして聞き取れなかった音が聞こえてくるのは、うれしいものです。

けれど、発音をやるだけでリスニング力がどんどん伸びる、わけではありません。

音が聞こえてきても単語の意味を知らなかったり、速さについていけなかったりすると、頭には「音」がのこるだけで、何を言っているのか理解できません。

聞き取れるようになるには、発音以外に、語彙力や文法力や、理解力をあげるためのリスニングのトレーニングが必要になってきます。

このように書くと、発音をしても、英語力はあまり変わらないのか・・・と残念に思われるでしょうか?

ならば、余計な事に時間と労力を使わず、リスニングの勉強を先にするか、そちらに集中した方がいい、と思われますか?


多くの英語教育では、「英語の音」や「英語のイントネーション・強弱・抑揚など」を重要視していなかったり、そもそもそれに割く時間がなかったりしますので、多くの人が英語の正しい音を知らずにカタカナで代用してきています。

英語には日本語にない音が多く、また言語体系も違います。日本語の調子でしゃべる英語は、ネイティブには英語にすら聞こえないほどなのです。

「発音」をしているかしていないかで、その後の学習効率は大きく変わってきます。

語学は短期間では習得できません。

長い道のりをコツコツ歩んで、努力の先に得たものが、外国で通じない英語だった、とはあまりにも悲しいことですが、日本で現実に起こっていることなのです。


*関連コラム*
リスニングの5つの壁
音の壁

(18/9/19 rev)